私も従前より、大半の方と同じように在来工法により木造住宅を建ててきました。
在来工法とは言え、少しは木材にこだわり、桧や地松といった地元の材料、そして大断面の柱や梁を使い、手刻みで建ててきました。そこには職人の技も見えました。建て方(建前)の時の骨組みが建ち上がった瞬間の威風堂々とした姿は誇らしくもあり、力強さも感じました。そして桧や杉の香りは心も和ませてくれました。切組をしている体には桧の匂いが浸みこみそうでした。
しかし悲しいかな、在来工法(大壁構造)は、建て方の時が最良の時期(木にとって)であり、工事が進むにつれ木材は見えなくなってしまい、完成する時には鉄骨造なのか、RC造なのかほとんど判らなくなってしまいます。そして申し訳程度に梁や柱を現わしたりします。
今や住宅は新建材に覆い隠され、木の良さを見つけだすのは困難です。表面のデザイン性を追求することばかりに気を取られたり、最新の設備機器に目を奪われているのが現状ではないでしょうか。
最新の機器も3年すれば廃版になってることもあり、驚くばかりです。
これからは真の豊かさを実感できるような、長寿命の家づくりをめざしていくべきではないでしょうか。そのためには、地元の木をふんだんに使い、丈夫な骨組みを確保し、自然環境にもやさしい構法にもっと力を注ぐべきだと思います。木の温もりや自然の風や光を体感できるような家づくりを求めていきたいと思います。
■プロフィール
昭和33年9月生まれ O型
徳島県麻植郡美郷村出身(吉野川市美郷)
昭和52年 県立川島高等学校卒業
昭和57年 関西大学工学部建築学科卒業
建設会社に入社(仙台支店で7年間お世話になりました。)
平成元年より桑田建設
平成2年 一級建築士、一級建築施工管理技士取得
徳島県木造住宅耐震診断員・耐震改修アドバイザー
徳島県木造住宅耐震改修施工者登録
趣味:ゴルフ、マラソン(徳島マラソン2回完走)
スキー(まだ出来ると思います。山形蔵王にはよく通いました。)
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