伝統構法とは、柱や梁を加工して木を互いに組合わせることにより家の骨組みを構成する工法です。金物は殆ど使用しません。昔ながらの長ほぞ、込み栓、楔(くさび)、だぼなどで固定するのです。通し貫構法とは、柱と柱の間に「通し貫」と呼ばれる木材を水平に貫通させ、楔によって柱と固定させる伝統構法です。現在主流となっている「筋交い」の住宅には使われていません。筋交いや構造用合板を多用する現在の住宅を剛構造と呼ぶのに対し、木組みと貫そして土壁を基本とする伝統構法は、柔らかく粘りのある構造(柔構造)とされています。
今日、日本の伝統構法が地震に対し非常に粘り強い性質を持っていることが実験の数値でも証明されるようになりました。木組みを基本とする伝統構法では、梁の交差する仕口を「渡りあご」と言う木組みで組みます。
「折置組」とは柱が小屋梁を直接受け、その上に軒桁を置く渡りあごで組まれた形式です。その反対に梁と桁が上下反対になったものが「京呂組」で、柱で軒桁を受けその上に小屋梁を架ける形式です。折置組の方が小屋梁に屋根荷重がかかるので安定しています。
伝統構法では「構造あらわし」といって構造体の多くが見えているつくりを多用します。ですから、材料の良し悪し、大工の腕の良し悪しが一目瞭然です。また、年月を経た後の痛み具合を見て、部分修復することも出来ます。
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